1億円返済の軌跡、奇跡?その1 、1億円返済の軌跡、奇跡?その2 の続きを書こう。
6500万円の借り換えをしたわけだが、相変わらず倒産の危機はなくなってはいない。
以前は45万の元金返済と25万の利息払いが、55万の元金返済と15万の利息払いに内訳が変わったが、銀行に支払う額は変わらないからだ。ただ、やる気は以前よりアップした。
そんな状態で、崖っぷちを歩きながらなんとか6500万から5000万まで減らした。
この間に大きなことが2つあった。
一つは結婚をしたこと。
もう一つは、いい経営コンサルタントと出会ったことだ。
私がおかれている状況を理解したうえで、結婚してくれた妻には本当に感謝である。
今まで父、母、私の3人で頑張ってきたが、そこにもう1人、妻が加わったことで、返済のパワーが一気に増えた。休日も予約営業したり、従業員の削減も可能になったからだ。
既にご両親が亡くなってしまい、妹しか身寄りがない彼女を路頭に迷わしてはいけないと決心した。
そして今まで何となく経営してきたが、コンサルタントという家庭教師が付いたことで、より論理的に経営することが可能になり、あいまいだった方向性に一筋の光が見えたわけである。彼のおかげで高くなり過ぎていた人件費も削減できた。
これらの結果、経営も安定化し、確実に借金返済ができるようになり、借入の額も3500万に減り、売上規模から考えて適正な領域に入ってきた。
そんな状況の中、銀行に借入金利の削減交渉をした。
というのも担保にしている土地の価値が借金を上回ったことに気づいたからだ。
それが意味することは、「銀行の貸し倒れリスクがほぼなくなった」ということだ。
「世の中はゼロ金利なのだから、もう少し、金利を下げて欲しい」と伝えるが、担当行員はまともに聞き入れず、のらりくらりとはぐらかしていた。
そこで、その頃知り合った税理士に他の地銀を紹介してもらい、
「今、借入が3500万位だけど、借り換えはできないか? 土地の担保価値はそれくらいあると思う」と打診したところ、すぐに現行より金利1%ダウンでもOKと返事がきた。
この事実を、取引している銀行に伝えると、あっさり同じように1%下げてきた。
これには、少々カチンときたと同時にひらめいた。
「へぇー、そういうことなのね。銀行も相見積を取れば、金利が下がる可能性があるわけだ」
このことに関しては、UFJも地銀も相見積もりにも、詳しく書いた。
そこで、もう一歩つっこんでみた。
メイン銀行の近くにあるライバル地銀に、決算資料を持ち込み、現状の1.5%ダウンの金利で借り換え交渉をしたところ、30分でOKが出た。
その結果を、メイン銀行に伝えると、
「もう他行との交渉はやめてください。現行より2%ダウンして、借入金利1%にしますから」との確約を得た。
私にとって一番うれしい決着だ。
というのも、他行に借り換えをすれば、担保設定費用など余分な経費がかかるが、同じ銀行内で借入金利の変更であれば、約定変更だけで済むため、手数料もかからない。
これにより、3500万×2%=70万/年の経費削減ができたのだ。
そこで、祖父の代から顧問契約をしていた税理士に、この金利が下がったことを報告したところ、信じられない返事があった。(詳しくは 税理士さん、あなたはどちらの味方なの? )
私は、てっきり「おめでとうございます」か「やりましたね」と言われるものと思っていたら、「困った時に助けてもらわないといけないから、そんなことはしない方がいい」と言われた。
これには、目の前がくらくらした。
速攻、この税理士との顧問契約は解約し、金利ダウンのきっかけを作ってくれた税理士と契約をした。
その後の返済は順調にすすみ、何度か借り換えを繰り返し、返済額を変更したり、借入期間を変更したりして、経営にも影響がなくなった。同時に、個人資産がこの借入を上回り、ほぼ返済完了となった。現在では1000万以下になっており、いつでも返済は可能だが、意図的に急いで返済をしていない。
というのも、、、、、その4に続く。