久し振りにに、1億円をどのように返したかを、振り返ってみた。
1億を20年で返すとすると、返済額は年間500万円、月々約42万円だ。
20年と言うのは簡単だけど、かなり長い期間だ。
子供が生まれて成人するという事をイメージしてもらえればいい。
私は20年くらいかけて返済の目処をつけたが、正直、長かった。私は子供はいないが、娘を嫁に出した気分だ。
もともと、この1億は私が借りたわけでは無く、父が借りたのだが今思えば正直、無謀だと思う。
私の会社の売上規模から言えば、返済出来たのは奇跡だ。税理士にもよく言われる。
私は当時契約していた税理士に、
「どうしてこんな額が返せると思ったのか」
「財務的に無理だと判断しなかったのか」
「数字を見ているのだから、アドバイスをするのがあなた達の仕事でしょう」
と怒った事があったが、所詮他人事で、
「今後も事業が順調に拡大すると思った」という返事だった。
今思えば、本当は彼らは税金を算出するのが仕事で、財務的な経営判断はできないと言うところに気付いていなかった。
時代はバブル期の後半でもうリセション(景気後退)に入っていたが新店効果もあり、お店は忙しかった。でも、必ず、売上は下がると私は考えていた。
さらにバブル期の影響で貸付金利は4.5%と今では考えられない金利も問題だった。
年間利息は450万円になる。
つまり、月々42万の元金返済と38万の利息で80万円を銀行に支払わないといけない。
先程500万円を20年と書いたが、それは元金返済だけの話で、利息分もあるから、かなりの額だ。
最初、この金額を知った時、倒れそうになった。あまりに無謀すぎる。
もし、当時の私に、現在の知識があったら絶対に借りない額だ。