中小企業経営には原理原則があります。(サラリーマンの方は、ご自分の家庭を経営するという発想で読んでみてください。売上を収入、経費を支出、利益を預貯金にまわすお金と考えてください)
それを実践すれば、大きく失敗することはありません。
第1の原理原則 「収支をプラスにする」
売上 - 経費 = 利益 > 0
つまり、売上から経費を引いたのが利益で、これがプラスではないといけない。要は赤字ではなく、黒字であること。当たり前のことです。(サラリーマンなら、毎月の給料から、食費やローンなどを払ってもお金が残る状態)
そして、売上を増やし、経費を削減することで利益を増やすことができます。
この原理原則がわかっていない人が多い。いや、わかっていてもできない人が多いというべきなのでしょうか?
では、どうしてそれができないのしょうか?原因としては以下のようなことが考えられます。
①売上、経費も集計していない。(いわゆるドンブリ勘定)
②売上、経費がどのような関係になっているか、わかっていない。(財務知識の欠如)
③売上の構成要素を知らない。(マーケティングの知識不足)
④無駄な経費が多い。(浪費)
おそらく、この4点のいずれか、あるいはすべて当てはまっているでしょう。
では、これらを解決するには何をすべきでしょうか?
①ドンブリ勘定はやめよう。
全体の数字を大まかに理解することは大切です。だからと言って厳密な集計をせずに大まかな数字で理解するのは、まちがいです。厳密な数字を把握してから、大まかな数字で理解すべきだと思います。
②売上と利益の関係を理解しよう。
売上と利益の関係は下記のストラック表(和仁達也氏著 脱ドンブリ経営より)のようになっています。
たとえば、物販で考えてみましょう。
上記の100万円の売上を上げるには、まず商品を仕入れる必要がある。
その商品の仕入れのように売上に応じて一定の割合で増える費用(20万円)を変動費という。この変動費を除いた利益(80万円)が大まかな利益、粗利である。
でも、ここから、お店で働く人の給料(40万円)や家賃(30万円)など、毎月決まった費用、つまり固定費(40+30)を引く必要がある。
粗利から固定費を引いた残りが利益(10万円)である。ただ、ここから4割くらい(4万円)が税金として取られ、その残り(6万円)が本当に手元に残る利益であり、そこから借金の返済をしていく必要がある。つまり借金を返すことはかなり大変なことなのです。
③売上を揚げる要素を理解しよう。
売上 = 客数 × 客単価 × 頻度
一般的に売上を増やすには、多くのお客さんに買ってもらう事、つまり集客を考えます。
しかし、全く集客をぜず、売上を増やす方法もある。それは、客単価を上げることです。
つまり、売上は、「客数を増やすこと」と「客単価を増やすこと」で増やすことができます。
そして、繰り返し買ってもらうこと(リピーター)も大切な要素です。
サラリーマンなら昇給か副業をするイメージです。
④経費の削減と効果を考えよう。
必要な経費なのか、不必要な経費なのか、を考えよう。
そして、その経費を使ってどれだけの効果があるかを考えよう。
例えば、
効果も出ない広告を続けていないだろうか?
必要以上に人を雇っていないだろうか?
借入金利は高くないだろうか?
経費をひとつひとつ見直し、削減できる経費は削減し、
最小のコストで最大の効果を目指すことは重要です。
とりあえず、これらの4つの事を理解し、改善すれば、かならず利益は増えます。
第2の原理原則 「不労所得をつくる」
第1の原則「 売上 - 経費 = 利益 > 0」も大切なことでありますが、もうひとつ大切なことがあります。それは
手元に残った利益(資産)そのものを増やすことです。
つまり「資産や預貯金を運用をして増やすこと」も、とても重要です。
せっかく稼いだお金をそのまま定期預金に入れておくのは、とてももったいないことです。
貯めたお金にもお金を稼いでもらわないといけません。
多くの人は、労働をして所得を得ようとします。いわゆる勤労所得です。
しかし、体や頭が動く間は良いが、高齢や病気で働くことができなくなった時、あるいはアーリーリタイアを考えるなら、働かずに所得を得る方法も考えるべきです。つまり不労所得です。
最も代表的なのは、不動産収入や株などの配当収入です。不労所得つまり、お金がお金を生んでくれれば、お金に困ることはありません。
例えば、資産が1億円あり、5%の運用益が出れば、年間500万の収入になります。毎年、何もしなくても500万の利子収入があれば、派手な生活をしなければ十分な収入です。
その元金の1億円を貯めるのは少々大変ですが、5000万円程度なら一般の人も長期分散投資をすれば十分可能な額だと思います。定期預金だけをするのではなく、利益の一部を運用に回して、効率よく資産を形成しましょう。